「心の変化のメカニズム」
人間の心を↓のようなイメージで捉えてください。
[理性]
[感情][印象]
[感性]
「感性」:
心が様々なことを感じる根源的センサー。
「感情」:
喜怒哀楽など、心の動き、気分。
「印象」:
ある対象をどのように受け取るか、心に与える感覚。
「理性」:
「感情」「理性」に振りまわされず、物事を筋道立て
て整理して考えること。
これら4つは、以下のような関係が成り立ちます。
1 「感性」と「感情」
「感性」は様々なものを意識的・無意識的に感じ、心
が動かされる。
「感性」と「感情」との関係は、「感性」が「感情」
を作る関係がまずある。
そして次に「感情」は「感性」に変化をもたらす。
センサーの性能を変化させてしまう。
「感性」と「感情」はこのように相互に影響を与え合
う。
例:
Bくんの言葉をAくんは、自分を馬鹿にしている発言
だと感じた。
<感性>
Aくんは怒った。
<感性が感情を作る>
それ以後、Bくんがどう誤解と取り繕っても、Aくん
はそれも馬鹿にしていると感じた。
<感情が感性を変化>
そのため余計に怒った。
<再び、感性が感情を作る>
2 「感性」と「印象」
1と同じように、「感性」は「印象」を作る関係であ
る。
そして「印象」は「感性」に変化をもたらす。
センサーの性能を変化させてしまう。
「感性」と「印象」は相互に影響を与え合う。
1と同じ関係である。
例:
Aくんは、Bくんの言動や雰囲気で、Bくんを冷たい
人だと思っていた。
<感性が印象を作る>
Bくんは、ある優しい行動をとった。
客観的な常識で考えれば当り前の行動でしかないのだ
が、Bくんがそれをするのは凄く意外だった。
Aくんは、Bくんは実は優しい人間だと思い直した。
<印象が感性を変え、再び印象に影響を与えている>
3 「感情」と「理性」
「感情」は「理性」をどのように動かすのか、エンジ
ンと舵取りの役割をしている。
「理性」とは、「感情」を排除して考えることではな
く、「感情」を整理して考えることである。
「理性」によって筋道立てられて考えられた内容は、
「感情」に影響を与える。
「感情」と「理性」は相互に影響を与え合う。
例:
Aくんは、Bくんに注意された。
Bくんの言葉があまりにキツかったので、Aくんは怒
っていた。
しかし、Bくんの言うことはもっともだ。
それにしても許せない。
よくよく考えてみたら、BくんはAくんのために注意
したのだ。
それはありがたいと思う。
自分が怒るのは不当ではないだろうか?
<ありがたいと思う感情が、理性の方向づけをする>
Aくんはそう思うと、怒りも収まってきた。
<理性が感情に影響を与える)
4 「印象」と「理性」
「印象」は「理性」がどのような事を踏まえて考える
のか、データベースの役割と、方向づけの役割を担って
いる。
「印象」と「理性」は相互に影響を与え合う。
例:
AくんはBくんを嫌味なヤツだという印象を持ってい
た。
人を自分の印象だけで決めつけてはいけないと考えた。
そうすると、Bくんの違った面も見えてきた。
<理性が、印象に影響を与えている>
5 「感情」と「印象」
これも相互に影響を与え合う。
例:
落ち込んでいる時には、何もかもかすんで見えた。
かすんだ世界が、ますます落ち込みを酷くした。
<感情と印象とが影響を与え合っている>
6 「感性」と「理性」
1〜5から、「感性」と「理性」は間接的に影響を与え
合う。
このように、人間は「感性」「感情」「印象」「理性」
がそれぞれ影響を与え合い、心の中の姿を変化させる。
「感性」も変わり、「感情」も変わり、「印象」も変
わり、「理性」も変わる。
変わったそれぞれがまた、新しくそれぞれに影響を与
える。
人間の心や価値観は、大小の違いはあるけれど、常に
このようなメカニズムで変化し続けている。
こんな風にメカニズムのモデルを把握して物事を捉え
るようにすると、色々な物が見えてくる。
「認識」を話しに加えると、極端に複雑になるので今回
は省略してあります。
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