人間にはそれぞれ個性がある。 人間の個性は、生まれ持っての性格と生まれた後の体験によって形成され る事に異論はないだろう。 人間は無数の因子を持って生まれてくる。 その因子には強弱があり、どのような体験をしようとも表面化してしまう 強い因子もあれば、よほどの体験をしないと表面化しない弱い因子もある。 例えば「優しさ」の因子を強く持つ個人であれば、体験に拠らずとも優し さを発揮するようになるが、その因子が弱いと、生後の体験によって「優し さ」の因子を刺激してやらなければならない。 人間の個性は、このように「因子の強弱」と「生後の体験」とで理解しよ うとすると、かなり多くのものが見えてくる。 自分を理解する上でも、この考え方は非常に役に立つ。 その時々の状況によって、自分という人間も色々な面を見せるだろう。 これを「因子の表面化」として考えると、セルフコントロールもし易くな る。 どの因子がどのような精神状態で表面化するのか? 今自分が置かれている状況で、どんな因子が強く表面化していて、どんな 因子が潜在化しているのか? こんな風に自分を捉えれば、より良い自分を模索する事ができる。 人間は聖人君子にもなれれば、凶悪な犯罪者にもなれる。 全ては因子の強弱配分の問題なのだ。 理性をもって、この強弱配分を調整していく意識があると、人生はより良 いものになるのではなかろうか。 また他人との関係も、より良いものにしていけるのではなかろうか。
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